自律神経の乱れを整える方法:原因と効果的な対策で健康を取り戻す
改善を諦めてしまっている方も多いかもしれません。
自律神経系のお悩みを多く解決してきた、兵庫県加古川市にある「ひかり整骨院」の久保光弘院長が、電流の回路にたとえて症状を解説してくださいました。
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「自律神経」という言葉、聞いたことはあると思いますが、説明してみてと言われると難しいですよね。
多くの人が、高校時代に生物の授業で学んだ記憶がうっすらあるくらいかもしれませんね。
「聞いたことはある、でもよく覚えていない」という反応が普通だと思います。
自律神経は私たちの健康や日常生活に密接に関わっており、非常に重要な役割を果たしています。
今回はできる限りわかりやすく、私なりにかみ砕いて自律神経の仕組みについて説明し、その乱れがもたらす影響についてもお話しします。
繊細な自律神経の働きが乱れる可能性は誰にでも起こり得ます
自律神経を一言でいうと、「私たちの意思とは関係なく自動的に体の働きを調整する神経」といったところでしょうか。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、交感神経は活動時や緊張時に働き、副交感神経は休息時やリラックスした状態で働きます。
自律神経の働きを具体的に挙げると、例えばこんなものがあります。
・心拍数の調整
運動をしたり緊張状態になったりすると、胸がドキドキしますよね。これは交感神経が優位に働き、心拍数が増加しているためです。
逆に、リラックスしているときには副交感神経が働き、心拍数が落ち着きます。
・消化器系の調整
食事をした後、副交感神経が優位になると、胃や腸の消化活動が活発になります。これは、体がリラックスして消化に集中できるためです。
ストレスを感じていると交感神経が優位になり、消化活動が抑えられ、胃の不調や便秘が起こることがあります。
・体温調節
寒いときには交感神経が働いて血管が収縮し、熱を逃がさないように体温を維持します。暑いときには、副交感神経が働いて汗をかき、体温を下げます。
「食べたから消化しよう!」と気合を入れる人はいませんよね。また、「運動したから心拍数あげなくちゃ」という人もまずいないでしょう。
つまりこれらの調整・調節は、人間が意識してやっているものではありません。無意識のうちに自律神経が働いているということです。
私たちの生命を健全に維持するために非常に重要な役割を果たしつつ、かつ、繊細な神経であることがお分かりいただけるでしょう。
通常は、こうして交感神経と副交感神経が絶妙なバランスを取って働くのですが、何らかのきっかけで、そのバランスが崩れてしまうことがあります。
その原因として最も多いのが、ストレスです。
ここで言うストレスとは、単に精神的なストレスのみでなく、急激な気温の変化、気圧の変化、湿度の変化なども含まれます。
ですから自律神経の乱れは、何も厳しい現代社会の荒波にもまれている人ばっかりがなるものではなく、春夏秋冬の季節の変化を感じ、日々笑い、泣き、活動しているすべての人に起こり得るものなのです。
交感神経に過剰な電流が流れて疲弊し、傷ついてしまう
自律神経の乱れについて、電流にたとえてみましょう。
当院は特に自律神経系の患者様が多くいらっしゃる治療院ですが、冬から春の季節の変わり目が最も患者様が増えます。
一体、冬から春にかけて何が起きているのでしょうか。
冬場は、寒さにたいして体温を上げるために、交感神経が活発に働き外気温に適応しようとします。
その時は、交感神経の回路に電流が活発に流れている状態だとイメージしてください。
そして、春になって気温が上昇してくると、通常でしたら交感神経に流れる電流は徐々に弱くなっていきます。
しかし、回路の制御が上手く作動しないと、回路内には過剰な電流が流れ続けてしまいます。
私はこの状態を「交感神経の興奮状態」と捉えています。
興奮状態になった交感神経はやがて疲れ果て、傷ついていきます。
その疲労や傷はなかなか回復しません。
すると今度は、傷ついているために電流が流れにくくなるという現象が起きます。
私はこれを「交感神経の停滞、または休眠状態」と捉えています。
つまり、ストレスなど何らかの原因で回路の制御が上手く行かなくなることで、交感神経が興奮したり停滞したりしてしまうのが、自律神経の乱れだということです。
乱れた自律神経を正常に戻すためには緊張状態の緩和・血行促進が大切
これにより、体には様々な症状が現れます。
【交感神経の興奮状態で見られる症状】
動悸、めまい、耳鳴り、睡眠障害(不眠症)、下痢、パニック障害、微熱など
【交感神経の停滞・休眠状態で見られる症状】
頭痛、肩凝り、血行不良による手足の痺れ、便秘、倦怠感、食欲不振、特発性難聴など
どちらかの症状ばかりが見られることもありますが、両方同時に起こることもあり、決して単純なものではありません。
そのため、患者様それぞれの状態に合わせた施術を行うことが大切です。
交感神経の興奮状態、または停滞・休眠状態、いずれの場合でも、施術の目的は交感神経の働きを正常な状態に戻す(近づける)ことです。
交感神経の疲労や傷が回復していき、働きを安定させることで、回路の制御が正常な状態に戻っていきます。
すると、本来安静位に働かなければならない副交感神経回路へのバトンタッチも、スムーズに行われるようになっていきます。
スムーズなバトンタッチを目指して、全身の緊張状態を緩和し血行を促進するという施術を行っていきます。
ご自分で出来る一般に言われている対処法は、ネットを見ればいろいろと紹介されていますね。
よく見るのは「生活のリズムを整えましょう」「朝日を浴びましょう」「ストレッチをしましょう」といったものでしょうか。
それらももちろん誤りではなく、できるならやっていただいた方が良いとは思います。
ただ私の方針として、患者様にはあまり面倒なことを言いたくないなというのがあり、「とにかく体を冷やさないでください、特に下半身を冷やさないようにしてください」とだけお願いしています。
うるさいことは言わないようにしているとは言え、これに関してだけは容赦なく言いますよ(笑)
短い丈のソックスを履いている若い女性にだって、たとえお洒落のために服装に合わせているとしても、
「本当に今困っていて、本気で体を元に戻したいならしっかりした丈のソックスを履いてね!」
といった具合です。
裸足なんてもってのほかですね。まあ、治療院に裸足で来る人はまずいませんが、普段もちゃんとくるぶしの隠れる靴下を履くようにとお伝えしています。
周囲が理解し、温かく見守ることが大切です
自律神経の乱れによる症状は、外見からはわかりにくいために周囲の理解を得にくいものです。
そのため、症状自体に悩まされるだけでなく、職場や家庭で理解されない、怠けていると思われてしまう、といった二次的な苦しみを覚える方も多くいらっしゃいます。
それによってストレスが増してしまったら、余計症状が重くなり、まさに悪循環です。
自律神経の乱れで苦しんでいる方に対しては、周囲が温かく見守り、理解を示すことが重要です。
どうか温かい目で見守っていただきたいと思います。
一刻も早く、患者様に合った治療院が見つかることをお祈りしています。
自律神経の乱れについて解説してくださった久保光弘先生が院長を務める「ひかり整骨院」の詳細はこちらをご覧ください。